丹波篠山市フィールドワーク

2022.9.13~14


初物尽くしのフィールドワーク

水谷 恭輔

 

●はじめに

 

 2022年9月13日と14日に、兵庫県丹波篠山市をフィールドワークした。丹波篠山は神戸から車で1時間前後の距離に位置しており、山々に囲まれた自然豊かな土地が特徴である。代表的な特産品として、丹波産の黒大豆や小豆、栗が有名である。このレポートでは1泊2日のフィールドワークで私自身が学んだこと、若者が来たくなる観光プランを記述する。

 

●人間が自然に手を加える背景

 

 自然と人間が共存する社会と聞いたとき、このようには思わないだろうか。「人間は自然環境に介入すべきでない」「介入したら山に生息している動物に悪影響を及ぼす」「自然の力に任せておいた方が地球のためになる」。フィールドワークに参加する前の私はこのように考えていた。実際、アフリカでは人口が急激に増加したことにより、食料の確保のために森林や草原を燃やしていた。手法は違えど、人間が自然に手を加えていることが果たして自然のためなのかと疑問を抱いていた。

 しかしフィールドワークを通してその印象は大きく変わった。1番驚いたのが木を放置すると様々な問題が発生することだ。丹波篠山の森林の多くが戦後、国による植樹が中心で、主にスギやヒノキといった針葉樹が植えられた。針葉樹とはその名の通り、針のように細くてとがった形をし、マツやスギ、ヒノキ等がそれに該当する。今回針葉樹を伐採したが、これらの木は植樹から50年から60年くらいを目安に、手入れを行わなければいけない。そのため、それ以上経過すると土砂崩れ等の災害のリスクの増加や根元に日光が差し込まず植物が育たないことで、鹿や猪といった動物が食べ物を求め畑の野菜を食べてしまう現象が発生してる。このように、人間が自然に手を加えることは決して悪いことではなく、人間の手によって持続可能な環境を生み出す要因にもつながっている。

 

●観光プランについて

 

 1泊2日の経験を踏まえ、私は「非日常」をテーマに観光プランを作成すべきだと考える。今回のフィールドワークは初めてのことだらけだった。丹波篠山の訪問や森林の伐採体験、2日目の集落丸山で出された黒豆味噌汁や茅葺屋根での宿泊など、とにかく充実した1泊2日だった。しかしフィールドワークでも話は出たが、このプランを販売するとなった時、学生はいくらであればお金を出せるか。ここが一番の問題だ。

そこで、都会に住む若者をターゲットに、日帰り用と宿泊用のプランの2タイプに分け、参加回数に合わせた体験プランを提案する。日帰り用に関しては、1回目は自然豊かな環境で丹波篠山の自然環境を勉強する青空教室の開校と森林の伐採体験を行う。2回目は伐採された木をナイフやフォークに加工する工程を体験する。宿泊用については、1回目は今回のフィールドワークと同じプランで行う。実際に参加してみてとても充実した内容だったので、このままでも十分観光客を満足できると考える。2回目以降は2泊3日で初日は青空教室の開校と山の散策、2日目は木の伐採体験、3日目は伐採した木を加工する体験を行う。料金については、日帰りプランは1回目は大人3000円、子供1500円。2回目は大人2500円、子供1000円。宿泊プランは1回目は宿泊代と体験代で、大人20000円、子供5000円とし2回目は大人25000円、子供7000円とする。この旅行プランで重要なことは飽きさせないことだ。1回目の旅行で伐採体験や加工体験全てやってしまうと、それで満足してしまい2回目以降足を運ばなくなる。あえて途中でプログラムを止めることで2回目以降も丹波篠山を訪問するきっかけを与える。

 

 

●フィールドワークで学んだこと

 

 1泊2日のフィールドワークだが、一言で表すと「先入観」だ。私は現在、大学4年の就職活動中で、順調にいけば来年からは社会人1年目として働く予定だが、大学在学中の4年間、一度も林業に関心を持ったことがなかった。勿論、林業に興味を持たなかった理由は様々あるが、1番は身近に無かったからだと考える。私は生まれも育ちも都市部で暮らしてきたため、周りで林業従事者として働いてる人は1人もいなかった。だから林業従事者として働くという選択肢が無く、関心を持たなかったのだと考える。先述したが、フィールドワークに参加する前の私のように、自然を保護するために人間は手を出すべきでないと何となく考える人も一定数いる。今回のフィールドワークを通して、このように考える人を少しでも減らすにはどうすればいいかを考えていきたいと思った。