南あわじ市訪問レポート

2020.12.8~9

少子化で廃校となった小学校を体験型宿泊施設として再生した「アグリミュージアムNADA」を訪問。一泊二日の行程で廃校ホテル経営者とのミーティングや「国生み伝説」ゆかりの島・沼島観光を行い、新しいツーリズムの在り方について学びました。

 

参考ページ…
http://am-nada.lovepop.jp

 

吉川由希/神戸学院大学

 

 

■はじめに

12/8~12/9に南あわじ市に訪問しました。1日目は淡路人形座に訪れ、淡路人形浄瑠璃を鑑賞しその後、廃校ホテル「アグリミュージアムNADA」に宿泊をしました。2日目は沼島に渡り現地視察を行いました。これらを通して、学びを得られたので以下にそれらについて感想と共に書いていきます。


■1日目の感想

〇淡路人形座訪問

 演目を鑑賞するだけでなく人形浄瑠璃について学ぶことができる点に非常に魅力を感じました。初めに舞台裏ツアーがあり、人形浄瑠璃について詳しく知らない人も基礎知識をつけて楽しむことができます。実際に使用している人形や道具たちを見たり、裏方のお話を聞きました。更に舞台上を歩くこともでき、そこには段差があり人形を操る人々が客席から見えず、人形が地面を歩いているよう見えるよう工夫されていました。人形のほんの少しの手、瞼、足それぞれの動きが変化することで喜怒哀楽が表現されており非常に魅了されました。演目が始まる前に大まかな物語の説明もあり、非常にわかりやすく、初めて見た私も楽しんで見ることができました。観客を巻き込んだ舞台演出もあり、世代を超えて楽しめる素敵な演出でした。訪問した他の大学生も目を輝かせ面白かったと口々に言っており、人形浄瑠璃にあまり馴染みのない若者も楽しめると思います。これらのことから、淡路人形座は南あわじ市の魅力であると感じました。

 

〇廃校ホテル

私たちが訪れた廃校ホテルは小学校の建物をそのまま使用し、教室内を宿泊できるようリノベーションがされています。ここで地域再生のアプローチの仕方と6次化産業について学びました。

地域再生のアプローチについては、南あわじ市廃校ホテルを視察しオーナーさんにお話を伺いました。その中で、オーナーさんの会社が淡路島で園芸用の土を製造販売行っており、ライフワークから環境再生へ、更に廃校ホテルで校庭トマトを作り地域再生へと繋げたいというお話があり、目からうろこでした。私の中で地域再生の手法について漠然としていましたが、新しいものをイチから作るのではなく、今あるものを組み合わせてさらにアイデアを足すことで地域再生に繋げられるということを学びました。

6次化産業については、校庭でトマトを作る1次産業、トマトのパック詰め又は缶詰製品に加工する2次産業、更にそれらを販売又はレストランで提供を行う3次産業、これらを掛け合わせた6次産業がこの廃校ホテルで行われていることを見聞きしました。この廃校ホテルについて視察するまで6次化産業について言葉だけで具体的な事はあまり想像できませんでしたが現地に足を運び、実際に目にし、座学の学びと訪れた実践的学びにより理解が深まりました。

 

■2日目

〇淡路島の南東に浮かぶ「沼島」

沼島は「古事記」に登場する国生み神話の地で、神々が作った最初の島である「おのころ島」の伝説が残っています。この伝説にまつわる自然豊かな観光スポットが数多く存在します。

例えば、「上立神岩」は海の中に建つ巨岩で、伝説に出てくる天の沼矛の矛先など様々な謂れがあります。

「おのころ神社」にはイザナギとイザナミの二神が祀られており、国生み神話ゆかりの神社となっています。大鳥居は日本三大大鳥居の一つです。

「イザナギとイザナミ 二神の像」おのころ神社の中にこの像があります。

島の案内役の方のお話を聞いていく中で、「観光客が来すぎるのも困る」との意見もありました。沼島は人が住む場所が非常に限られており、飲食店が2、3軒しかないことから観光客をさばききれないという問題もあります。私は観光客が増えるほど良いと思い込んでいましたが、観光地の受け入れ体制と観光客数のバランスが大切だと思うようになりました。

まとめ

南あわじ市は観光地として非常に魅力的な地であり、現在ある自然の豊かさを活かした観光で人々を引き付けて欲しいと思います。