象印マホービン公式サイトより

 

象印マホービン取材レポート

2021.2.19

企業におけるSDGs活動取材。マイボトル普及を通じて海洋プラスチックゴミ問題に取り組む象印マホービン株式会社を訪問。新事業開発室マネージャーの岩本雄平様と意見交換を行いました。

今村 康佑/関西学院大学

 

 

「MY BOTTLE IS A BATON」に関する議論を通じて

 

 

2月19日、「MY BOTTLE IS A BATON」を推進する象印マホービン株式会社新事業開発室の岩本氏を訪問し、YOUNG DMO HYOGOのメンバーとして意見交換を行った。マイボトルの普及を通じて、脱プラスチックを中心にSDGsに貢献するには何ができるのか、議論を通じて感じた気づきを以下に記す。

 

第一にマイボトル普及の現状課題に関して、大きく三点の原因を考察した。「ダサい」「めんどくさい」「不便」が私の考えるキーワードだ。今日でこそ「マイバッグ」といった言葉は普及しているが、幼少期は「水筒」のほうが主流の呼び方であり、「水筒を持って遊びに行くのはダサい」とあえてペットボトルを購入する友人が多かった。また、朝の出勤ラッシュ時にコンビニでアルバイトを行っているが、水やお茶のペットボトル飲料を購入する客は後を絶えない。「帰って水洗いするのが面倒だから持ち歩かない」といった人々も多いだろう。コーヒーに関しても容器を持参すれば20円引きで購入できるにも関わらず、持参する客はほとんどいない。私が働くローソンは、コンビニでも唯一「容器を持ち込めば入れてくれる」が、日本にはまだまだそういった店が少ないのが現状だ。ローソンで容器の持ち込み文化が浸透しない背景としても、「他の場所では入れられないため、すぐに捨てられる容器のほうが便利だ」という考えがあるのだろう。私の日常生活の周囲では、ペットボトルやプラスチックカップが日々購入され、廃棄が繰り返されている。

 

そこでマイボトルを人々の生活に浸透させるために、これらの課題解決は大前提として、さらに画期的な発想の議論を行った。既に同社が行っている軽量化やパッキンレスなどのハード面の対策のみに限らず、ソフト面としてボトルシェアが一つの案として結論づいた。大学の食堂や飲食店にあらかじめボトルを設置し、レンタカーの乗り捨てのように使い終われば返却し、また新たな人が利用するといった案だ。無論、ボトル提供側の連携必要性や洗浄の手間が前提となるが、「myボトル」を超えた「ourボトル」の新しい概念があってもおかしくない。箸や皿は洗って再使用するのだから、ボトルを洗って次の人に使ってもらう考え方は現実的だ。さらにメンバー間で出た意見として、街中のウォーターサーバーとボトルシェアを組み合わせるのも面白いと考えた。

 

海洋のマイクロプラスチック問題や、リサイクルの難しさが問題となっている脱プラスチック問題に向けて、「MY BOTTLE IS A BATON」の文化がさらに広がることを信じて、以後もYOUNG DMO HYOGOとして活動を続けていきたい。