加西市の新たなチャレンジ
/福田 千尋
9月15日から16日にかけて、加西市でのフィールドワークを行った。実施内容は、大きく3つに分かれ、11月から一般向けにスタートする劇場型周遊観光の体験で戦争に関して学ぶ、原始人会が経営する大谷山荘という古民家で自然を感じる、北条鉄道の社員さんにお話を伺うというものであった。YDHで参加するフィールドワークは今回が初めてであったため、最初は緊張していたが周遊体験やバーベキューを通して徐々にメンバーと打ち解けることができた。学部や学年が異なるメンバーと戦争や劇場型周遊観光について議論を行い、歴史について改めて深く考えることができたと同時に自分自身と異なるバックグラウンドを持つ人との対話の楽しさを知った。本レポートでは、劇場型周遊観光に絞って記述する。
●加西市に残る戦争に関する伝統
加西市に到着してまず私たちは、soraかさいに訪問した。2022年4月にオープンしたこともあり、綺麗な施設で戦争に関する内容の展示物や映像が分りやすく、歴史好きでなくてもつい見入ってしまうものであった。その後、望空郷で戦争当時の軍人の想いをまとめたVTRを観た。そのVTRは映像が綺麗なだけではなく、3Dの視覚的効果もあり見応えがあった。望空郷を出ると、海軍の練習生が立っており、劇場型周遊観光が本格的に始まった。特に劇場型周遊観光で印象に残っている場面は、法華口駅で海軍の練習生と家族が再会するシーンである。海軍では、基地から外出することを上陸と呼び、家族は彼らの上陸の日を心待ちにし、駅までお弁当を持っていくという場面であった。想像していなかった駅でも演技を行うという発想と家族との久しぶりの再会に喜んでいるこのシーンに釘付けであった。シーンごとの時間配分や内容など改善点はまだまだあるが、新しいエンターテインメントとしては非常に面白かったと感じている。
●劇場型周遊観光から得た気づき
歴史に関しての興味関心があまり高くない私にとっては、従来の資料館やボランティアガイドさんからのレクチャーより、役者の演技を通して戦争当時の背景をより明確に知ることのできる劇場型周遊観光の方が面白かった。一方で、歴史や戦争への関心が高いメンバーは、既に戦争二関する知見や自分なりの考えがあり、従来の方が自分のペースで知識を深められるためその方がいいと発言していた。歴史好きの彼らと議論する中で、ターゲットを中学生の修学旅行や中学生以下の子ども連れの家族を絞ることで意見が一致した。中学生は、本格的に歴史について勉強を始める高校生に比べて知識が少ないことと資料よりも視覚的効果のある演技の方が印象に残りやすい点が挙げられた。ターゲットをより明確に定めることで、劇場型周遊観光を通しての加西市のイメージアップに繋がると感じた。
今回のフィールドワークを通して、もっと歴史に関する知識を増やしたいと感じた。文献や動画を通して歴史についての学びを深めた状態でもう一度soraかさいや劇場型周遊観光を体験したい。
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