淡路島フィールドワーク

2023.8.27


アタリマエとは何か

大森 真宏/神戸学院大学

 

今回、FWで淡路島のタネノチカラと人形浄瑠璃の見学に行きました。今回沢山のお話を聞く中でSDGsについてより深く考えることが出来ました。この二つの場所を通して、今回私が感じたことや考えたことを本レポートで述べていこうと思います。

 

まず、初めに訪れたのは、パソナグループで農を通じた持続可能な社会の実現を目指すタネノチカラでした。

 「自然は好きですか。」と金子さんに聞かれたとき、私は、アルプスの牧場のような景色を思い浮かべながら自然は好きだなと考えていました。「じゃあ、この中に入れますか。」次に聞かれたのは、後ろにある雑草の茂みの中に入れるかどうかでした。後ろを振り返ると、虫が多くいるであろうことが予測できるぐらいまで茂っている雑草。私は、絶対に入れないと思いました。私が自然だと考えていたものは、アルプスの牧場のような美しい景色であり、みんなが写真を撮りたがるようなものであって、後ろの虫が沢山いると考えられる雑草ではないと思っていました。しかし、私がそこで感じたのは違和感でした。後ろの雑草たちをいつから私は自然ではないと決めつけていたのだろうと。自然ってそもそも何だろうと金子さんのお話を聞く中で疑問を持つようになりました。

 

 

私は、今まで地球温暖化や食糧不足、ウクライナの戦争をニュース等で聞いても、大変だ、なんとかしなければいけないと思う反面、どこか他人事のように感じていました。地球温暖化で気温が上昇しても、耐えられないほどではないし、エアコンをつければいいじゃないか、食糧不足だと言っても、アルバイト先ではたくさんの食品廃棄物が出ているし、明日のご飯も当たり前のようにあるじゃないかと思って生活していました。また食品廃棄も勿体ないなとは思いながらも特に何も考えることなく行っていました。そんな中で金子さんのお話を聞き、今のままでいいのだろうかと思うようになりました。地球温暖化で自然災害は確実に来るとわかっていながら、何も考えず、工夫もせずそんな生活でいいのだろうかと感じました。ウクライナの問題もロシアとの昔からの関係でそうなっていると考えていたけど、実際は土地の取り合いであり、それは世界各地で遥か昔から行われていたということを知り、世界の戦争の裏には、土地の取り合い、食糧の取り合いが地球温暖化と言われるようになる前から行われていたことに驚きました。そんな遥か昔から分かっていたことなのに、どうして今は大丈夫だなんて考えていたのだろうと危機感を持ちました。そして、生活していくために必要な土を回復させるよりも早く消費していくいしかないのかと不安に思いました。しかし、自然に土が回復するよりも早く人が土を作れるということを聞き、ただ地球温暖化で自然災害が来て生活できなくなるのも待つのではなく、今工夫をすれば、そんな中でも生きていける環境を作れるということに凄く安心したのと同時により一層、今の生活を見直していかなければならないと思いました。

 

金子さんのお話を聞く中で、私がアタリマエだと思っていた自然も、生活も本当にアタリマエなのか見つめ直すことが出来ました。今の生活を何の疑問も持たず受け入れるのではなく、何故なんだろうという問いを大切に生きていきたいと思いました。タネノチカラは、現代の生活がアタリマエだと思っている私たちにとって、今に疑問を持つ良いきっかけであり、新しい生活を始めるための第一歩だと思いました。

 

 

次に訪れたのは、淡路人形座で人形浄瑠璃を見ました。人形浄瑠璃は南あわじ市発祥であり、人形の動きがまるで本物のようで興味深い公演が見られる貴重な場所です。公演が始まる前に、座員の方たちから人形の動かし方や舞台の説明を受け、実際に裏に回り見ることが出来ます。昔から大切に使われているため、当時の床本が使われていて、歴史を感じることが出来ます。三人で一つの人形を操ることで、人形の表情や感情を表していて、海外の方でも楽しむことができると思いました。また、三人の息を合わせないと、チグハグになってしまうので、座員の方たちの息の合った演劇も楽しむことが出来ます。初めて見る方でも、座員の方たちが丁寧に教えてくれるのでとても安心して観賞することが出来るとおもいました。日本の当時を楽しむことができるので、海外での公演はすごく反響を受けるのではないかなと思いました。

 

 

今回のFWを通して、伝統と、未来のために活動を淡路で行っていることが分かりもっと淡路について知りたくなりました。昔と未来の融合がある地としてより多くの方に淡路の魅力を知ってもらいたいと思いました。