淡路島フィールドワーク

2023.8.27


多様な学びのタネが存在する島、淡路。

貞松 愛香/甲南女子大学

 

今回のフィールドワークは、古事記・日本書紀より日本発祥の地として今に伝わる兵庫県の淡路島で、パソナグループが運営するタネノチカラと淡路人形座への訪問をメインに行われた。本レポートでは、淡路フィールドワークで得た学び、気づきについて述べていく。

 

 

●農を通じてあたりまえを問う

はじめに向かった先は、タネノチカラ。パソナグループが運営する"農”を通じた持続可能な社会の実現を目指す株式会社である。ここでは、当たり前として認識されているものの本質を見直し、問い直す考え方を学んだ。

近年、よく話題になるSDGs。持続可能な社会の実現に向けて世界各地で取り組まれている目標だが、そもそもなぜ2030年までに達成しなければならないとされているのか、持続可能な社会とはどういうものなのか、私はそこまで深く考えたことがなかった。臨界点を超える時期がすぐそばまで迫ってきていること、世界から植物が育つ土が減っていることなど、目をそむけたくなるような話を聞くことで、環境問題、社会問題を自分ごととして捉えられていなかったことに気づいた。ここで私は焦りと危機感だけに駆られていたが、そんな私にこの事業の発起人である金子氏は「何が起きても大丈夫だという自信と安心を持つことで人生は楽しくなるのだから、あきらめずに行動し、最悪こうなっても生きていられるように!という状態を作る」と話してくださった。少しずつ自分にできることから始めていく、この重要性に改めて気づかされた。

このタネノチカラという場所は、価値を消費させる従来の観光とは違い、価値を生産する観光の現場そのものであることも興味深かった。労働ではなくアクティビティのような感覚で農業ができる、自分のあたりまえの概念を振り返ることができる、そんな場所であった。

 

 

●文化の更新

次に訪れたのが、淡路人形座。500年以上の歴史を持つ淡路人形浄瑠璃の舞台を鑑賞した時代と共に継承されてきた本質を残しつつも、時代に沿った新しい要素を加えている人形浄瑠璃の舞台を観た。古くからあるものをそのまま継承したものと新しく付け足す又は更新したものが融合し、交ざりあっており、芸術の文化をはじめいろんな文化が、大元を残したまま時代に合わせて変化してきたことを実感した。また、海外のお客様が数組いましたが、英語や他の言語を使うのではなく日本語だけを使っており、その理由を伺いたかったが、聞きそびれてしまった。古くから伝わる日本文化を日本語で感じ取ってもらうことを目的としているのではないかと考察した。

 

 

●淡路島の可能性

 

淡路島といえば、綺麗な海、大きな橋、有名なフォトスポット、玉ねぎなどの美味しい食材、、、色んなものが挙げられるが、今回新たに2つ知った。日本発祥の地であること、そして学びのフィールドとしての充実度が高いことだ。地元であり、馴染みの深い場所だと思っていたが、やはり知らないことは多々あった。興味深い場所ばかりだった淡路島に、またプライベートで訪れ、学びを得ようと思う。