神戸港フィールドワーク

2023.9.3


荒波を超えた神戸市の発展

松森悠人/関西外国語大学

 

初めに、僕が小学生、中学生、高校生の頃いつも遊びに行くのは神戸でした。人と未来防災センターも中学生の頃に行ったことがありよく行く街を勉強しに行くのはどこか不思議な感覚でした。中学生の頃は読むことのなかったであろう記録の文字や人々の体験談そして街の歴史。大学生になった今改めて見てみると新しい発見が多くフィールドワークに行って良かったと感じています。

 

 

●28年前の大波

 

阪神淡路大震災、最大震度は6強。決して弱くはないのですがあの日から28年間進んできた日本は東日本大震災や熊本地震、淡路の地震を経験しました。現在から振り返ってみてしまうと阪神淡路大震災はあまり強くなかったのではと考えてしまいます。もし人と未来防災センターがなければ阪神淡路大震災の記憶はなかったかもしれません。僕も今ならこうはならないのかと現在と比較しながら防災センター内を回っていました。回りながら驚いたことがいくつかあり、まず驚いたのは一般客がちらほらいたことです。中には家族でこられている方々もいて驚きました。一体誰が防災センターに行こうと言い出したのか少し気になります。次に案内役のボランティアの英会話力です。外国人の来場者を1人見かけた時3人の案内役の人達が英語で案内している所を見て驚きでした。そして1番驚いたのは新しい施設が出来ていたところです。モーショントラッキングやプロジェクターを使った分かりやすく楽しい施設が出来ていたり。時間がなく体験出来なかったですがVRでの体験映像。施設全体から阪神淡路大震災を後世に伝えたい気持ちが伝わる施設になっていました。28年進んだあとも28年前の日本の防災意識の低さ、当時の日本がどんなものだったかを思い出さしてくれるとてもいい施設でした。

 

●ぶいのように安定し愛され続ける博物館

 

神戸海洋博物館、中学生の頃はどうだったか忘れてしまいましたが、今みるとガッツリとした博物館要素は右半分しかなく左半分は乗り物ショーケースみたいな感じがします。他の博物館と違い圧倒的に文字数の違いを感じました。気になったのは、左半分と右半分の人の量です。カワサキワールドのコーナーがメインのお客さんが多く、右半分の神戸の歴史が展示されている方はあまり人気がないと感じました。神戸海洋博物館が伝えたい重要な事は右半分に詰まっているのだろうけどどうしてもでかい乗り物やバイク、プラレールに興味関心を持っていかれていて少し残念な気もしますが、これも博物館側の戦略である気もします。博物館の主な目的は、保存、研究、教育の3つで、神戸海洋博物館は主な保存研究を右半分でこなしつつ左半分で教育を行っているような感じがしました。ただ昔の道具や価値あるものを展示して文章で語るよりかは乗ったり触ったりできる方が記憶に残るので体験型と展示型のバランスが取れているのは神戸海洋博物館の特徴のひとつであり成功する博物館の特徴だと思いました。また、神戸の写真には必ずと言っていいほど神戸海洋博物館がひとつのランドマークとして写真に写っており博物館という機能を超えて神戸の象徴的なシンボルにもなっています。特徴的な外見が知名度向上と愛されるもうひとつの理由になっているのだと感じました。

 

 

●コロナ波を超え、拡大する事業

 

数年前まで乗れることすら知らなかった3隻の船ですが、移動手段では無い船の旅は思っている以上にリゾート施設でした。観覧車とセットで2000円弱というなかなかリーズナブルなお値段で乗れるのはとてもいいと感じました。記憶がただしければここ数年で一気に活発になっている気がします。船乗り場の前でスタッフさんが呼び込みをしていたりだとか、チラシをあちこちと見たり、西明石駅にも神戸の船旅の紹介ポスターが貼ってあるのを見ました。コロナが落ち着いてきたのもあってPRに力を注ぎ始めたのが目に見えて分かります。社長さんの熱いprや資料を見れば分かったのですが、何かを売るためには幅広く事業を行うことが大事であると感じました。ラグビチームのバックアップだったり音楽祭、食の徹底、船と直接繋がらないものもあると思いますが事業を拡大し各方面に色々なアプローチを仕掛けることがひとつ大きな成功に繋がると感じました。