豊岡市フィールドワーク

2023.11.23~24


豊岡を転がしたいっ!!

内藤開斗/兵庫県立大学

 

・はじめに


今回のフィールドワークはコウノトリ、豊岡市役所、出石城、永楽館、カバンストリートなど豊岡の魅力について深く知ることができたものだったと思う。ご多忙の中これらの機会を作っていただいたことに心から感謝を申し上げたい。

全ての訪れた場所について書きたいが、このレポートではその中でも豊岡市役所とカバンストリートについて書いていく。

 

・豊岡市役所について


豊岡市役所を訪れる前に、私は豊岡の観光について気になったので豊岡市公式観光サイトを閲覧した。

まず初めに見て思ったのが"見やすい"だった。よくありがちな観光まとめWebサイトの例として観光名所やグルメを詳細とともに載せた長ったらしいスクロールがあると思う。見ている自分としては、その場所に何があるのか「大まかな情報」が知りたいのであって「詳細な情報」は情報過多でお腹がいっぱいになる。だいたい興味が湧けば自ずとその場所の詳細を調べにいくものだ。その点、このサイトでは一目見るだけで「どこで」、「どんな体験が」、「どのぐらいの時間で」、「いつ」できるのかが明瞭でとても分かりやすい。またモデルコースを紹介にあたって家族の写真であったり、一人称視点の写真が多く、それに自己を投影しやすいのでその旅行先でどんなことが起き、どんなことが感じられるのか想像しやすいことがとてもいいと思った。

 

 

 

他にこのサイトの面白いところが1つある。それはサイト内にサイコロがあることだ。これだけ聞くと奇妙に感じるかもれないが、豊岡はどう転がっても面白いっ、何が出ても面白いというのをコンセプトに六面体の旅と称してランダムに観光地が出る仕組みがこのサイトにはある。私はこれがとても気に入っていて、というのも旅は何かとアクシデントがつきものだ。そのアクシデントで本来行きたかったイベントや観光名所に行けなかったことを多くの人が経験していることだと思う。そのとき空いた時間をどう使うかというのはとても悩みどころでそこから調べるのは面倒くさい。そこでそのサイコロである。このサイコロがあれば決める時間は全く必要がなく、何より"縁"を感じることができるので非常に魅力的だ。また旅先でプランを立てない人はこのサイコロをもとに動いていけばいいと思う。

市役所の方にどうやってこれらの素晴らしいサイトをデザインすることができたのか聞いてみた。それは納得の答えで、一流のデザイン事務所に作成を依頼しているそうだった。確かに、地元のデザイン事務所に依頼するのも地域の観点からするといいのかもしれない。しかし、それは観光客を呼び込む視点からすると費用対効果があまり見込めない悪手であることを説明された。観光に関する何かしらの政策をするとき数字も追っていかないといけないなと感じた瞬間だった。

 

・カバンストリートについて


カバンストリートではアトリエやショップを備えた複合施設のAPARTMENTさんにお話を伺わせていただいた。このお店の特徴は1階に商品の展示、2階に機材と作業スペース、3階に創作の参考となるライブラリがある点だ。2階の作業スペースで革について学ぶクリーエーターを育成する場になっていて豊岡カバンの未来を同時に作っている。

  

 

 

今回のフィールドワークで豊岡がカバンの生産量日本一だと初めて私は知った。なんでも鞄の豊岡という地名がそこまで消費者に知られていないのはOEM生産という他社ブランドで製品を作る方式をカバン生産で行ってきたかららしい。確かに、私が大丸や高島屋に行くときは形状やブランド名を気にしていてどこが作ったかなんてあまり考えたことはない。それでも1000年以上の長い歴史がありながらどうして全国的にあまり有名でないんだろうとすごく疑問だ。

実際店内で売られているカバンや財布を見てみるととても繊細な作りで気品を感じさせるデザインだと思った。特にビジネスバッグがものすごくかっこよくて長年使っていく中での年季とそれに伴う渋みを楽しみたいと感じさせる鞄だった。

見ているだけでも非常にワクワクさせる品物が多く存在したのでまた訪れたときにじっくりカバンストリートを巡り歩きたいと思う。

 

 

・まとめ


豊岡は観光地として面白かったのはもちろんだが、何よりこれから未来を拓いていくだろう将来性を非常に感じる。豊岡市役所のサイトやカバンストリートの鞄のような人をわくわくさせるものがいつの時代も求められ、残っていくのではないだろうか。